読書

いったいなにが言えるだろう

「1Q84」読了。読む前から何となく感じていたが、読み終えて確信した。村上春樹の最高傑作だと留保無く言える作品だ。文章は最後まで緊張感を保っている。比喩や風景の描写も見事。過去の作品に見られるような冗長性は皆無。言うべきことは全て言い尽くされ…

いよいよ発売。映画三昧。

村上春樹の新作「1Q84」が遂に発売され早速購入。そのタイトルからして大作の予感を漂わせており一気に読むのが惜しい。ということで明日が返却期限という現実的な理由から「グッバイ・レーニン」を鑑賞。見事なユーモアと結末のビデオに示される希望に満ち…

持続的な信心

幻影の書作者: ポール・オースター,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/10/31メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 28回この商品を含むブログ (85件) を見るゆっくりと読み進め読了。ストーリー性が高い上(当然ながら)柴田訳は見事な品質を保っ…

眠くて頭がぐるぐる

今日は原宿まで散髪に行った。なぜか昨晩ほとんど寝れなくて半分徹夜ですよ。どうしたもんか。電車の中でも眠気が襲ってこなくて村上春樹訳の「ロング・グッドバイ」をちびちびと読む。「長いお別れ」を学生時代に読んだ時は、マーロウの科白がどうにも気障…

少年期の憧憬

今日は朝帰りだったので、昼食後急に睡魔が襲ってきて3時ごろまで寝た。起床後しばらくしてランニング。昨日90分走ったので今日は30分もしくは60分の予定だったが、走り出すと調子が良かったので、結局90分間走りきった。しかも昨日よりペースが速く、トータ…

空白の中を僕は走る

最近は9時には帰宅しているので、実家できちんと食事を取り2時間ほどしてから外に走りに出ている。平日は30分ほど走るのだが、絶対に息があがらないペース(時速8km強)で淡々と走っているととても気持ちよい。好きな音楽かけながら15分くらい経つと、走るリズ…

続けたらいいことあるよと人は言う

走ることについて語るときに僕の語ること作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/12メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 459回この商品を含むブログ (487件) を見る仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)作者: 山本ケイイチ…

「不夜城」に苦しむ

不夜城 (角川文庫)作者: 馳星周出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1998/04/01メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 25回この商品を含むブログ (69件) を見る一応このブログの主旨は日々読み倒している本を紹介するというものなので、本のお話。先週買ったのは…

僕たちはどこにいくのだろう

対岸の彼女 (文春文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/10メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 70回この商品を含むブログ (173件) を見るここ2ヶ月ひどく忙しくて死にそう。平均3時間睡眠くらいか。徹夜もいっぱいしたし。なんかテ…

星新一 最相葉月

星新一 一〇〇一話をつくった人作者: 最相葉月出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 177回この商品を含むブログ (223件) を見る久々に本買った。星新一を巡るノンフィクション。懐かしいなー星新一。

おすすめ

Corinne Bailey Raeアーティスト: Corinne Bailey Rae出版社/メーカー: Capitol発売日: 2006/06/07メディア: CD購入: 2人 クリック: 65回この商品を含むブログ (23件) を見る百年の孤独 ニッポンの小説作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 200…

フルタイムライフ 柴崎友香

フルタイムライフ作者: 柴崎友香出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2005/04/14メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (107件) を見る柴崎作品を着々と読み進め、このフルタイムライフを除くとあとは「ショートカット」asin:43…

中世の再発見 網野善彦+阿部謹也

対談中世の再発見 (平凡社ライブラリー)作者: 網野善彦,阿部謹也出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1994/08/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見る碩学の中世史家二人による対談。飛礫の儀礼性、市の祝祭性など中世の諸…

ざんねん

ということで芥川賞は青山七恵さんへ。柴崎さん残念。でも来年とか取ってほしい。それより佐川光晴氏はかわいそすぎないか。

いつもながらの芥川賞予想

毎回恒例豊崎・大森コンビの芥川賞、直木賞受賞予想。二人の見解って特に感銘を受けたことはなくて、本を買うとき参考にしたことは一度もないけど、柴崎さんを褒めてるのでそれは素晴らしい。今回は佐川光晴の受賞はさすがに堅いだろうけれど、豊崎氏がいう…

柴崎さん新作発売!

ということで、1月11日がやってきました。柴崎友香新作「また会う日まで」ISBN:4309018017!!喜び勇んで本屋に行くと、きちんと平積みになって売られていて、ほくそえむミーハーファンのわたくし。もったいないんでまだ最初の20ページくらいしか読んでませ…

今日の柴崎さん

新聞広告に出てたけど、1月11日に新作「また会う日まで」発売とのこと。リンク先によると内容は、 好きなのに今は会えない人がいる……有麻は25歳OL。高校時代、修学旅行2日目の夜。同級生とのある記憶を確かめるため、約束もなしに上京。6日間の東京滞在…

新訳ブームはうれし

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)作者: ドストエフスキー,亀山郁夫出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/09/07メディア: 文庫購入: 29人 クリック: 257回この商品を含むブログ (468件) を見る光文社の古典新訳シリーズ。カラマーゾフにやはり手がの…

(いまさらながら)動物化するポストモダン 東浩紀

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/11/20メディア: 新書購入: 42人 クリック: 868回この商品を含むブログ (597件) を見る大学時代の最後の年一番興奮した本が東浩紀の「存在…

「ハッピーエンド」の感想などを書いてみたり

過去、とそれに付随する記憶は時として現在を縛るし、たまに未来まで押さえ込んだりする。ハッピーエンドはその過去ってやつの厄介さやそれにくっついてくる痛切さを、能天気な女子二人(ショーコとアキラ)と、情けない男子(ケンジ)と冴えない女子(マリ…

芥川賞でしょ、柴崎さん

柴崎友香さんが芥川賞候補に!!是非とってください、っていうかとらせるのだ選考委員たちよ。

年末のおかいもの

今日は新宿に出て、明日奥さんの実家に持っていくお年賀を小田急で買って、around the shoesでスニーカーを買って、タワーレコードでCDを買って、Book 1stで漫画買った。なんと充実した師走の一日でしょうか。ちなみに戦利品は以下の通り。この辺境ブログに…

金子光晴 どくろ杯

どくろ杯 (中公文庫)作者: 金子光晴出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2004/08/25メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 33回この商品を含むブログ (64件) を見る山崎ナオコーラ(しかしいいペンネームだなあ。ナオコーラ、って一人で呟くとちょっときもち…

名残惜しいほどの言葉たち

柴崎友香の文章達にまるで恋しているような状況なので、「その街の今は」も買ったけれどもったいなくてまだ読まなかったりしてみたり。その街の今は作者: 柴崎友香出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商…

迷わず読むべし

告知です。このブログを読んでくれている僕の知人の皆さんは、すぐ本屋さんに行って柴崎友香の作品を入手してください。もう読んだことあるよ、という人は朝までその魅力について語り合いましょう。ああ、なんと素敵な言葉たちよ。きょうのできごと (河出文…

私小説のような人生

最近体調が悪くてブログを更新できず。ようやく回復してきたので書いてみる。ところでこんなのが出てます。STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: INFASパブリケーションズ発売日: 2006/11/06メディア: 雑誌 クリック: 5回…

サラリーマンよ読書せよ

作家の読書遍歴を探る好企画「作家の読書道」。町田康がこんなことを言っている。 ―― 読書が日常のこととなっていたようですが、衝撃を受けたり、目から鱗、というような体験はありましたか?町田 : それは、読書がどういうことか、ということだと思うんで…

大塚英志 物語の体操

物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)作者: 大塚英志出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2003/04メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 138回この商品を含むブログ (139件) を見る気恥ずかしいけれど、こういうとこで言っとけば怠け者の…

孤独の行方

89年の村上春樹インタビューより。おそらく孤独は深まっている。共闘なんか殆ど話題にもならない。では、「共感」は? 僕らはもう共闘することはできないんですね。それはもう個人個人の自分の内部での戦いになってくる。というか、もう一度そこの部分から始…

老人に囲まれ図書館でにやつく我は

3連休最終日。今日も晴れて心地よかった。お年寄りがたくさんの図書館に行って、勢いにのって借りまくる。高橋源一郎が激賞していて気にはなりつつもなかなか近付きがたかった片岡義男。特異な物語世界が見事に描かれていると評判になっている「グールド魚…