金子光晴 どくろ杯

どくろ杯 (中公文庫)

どくろ杯 (中公文庫)

山崎ナオコーラ(しかしいいペンネームだなあ。ナオコーラ、って一人で呟くとちょっときもちいい)が金子光晴の名前を好きな作家に挙げていて、そういえば読んだこと無いなあ金子光晴、と思って購入。ちなみにこの作品は詩ではなくて自伝。妻の三千代と出会い放浪を始めるところの経緯など。それにしても散文書いてもうまいね、金子さん。平易な文章だし、華美な表現はないけれど、きちっと風景やら状況を描き出してます。あと、そのだめ人間ぶりがたまらない。とにかく金が無くて、踏み倒したり夜逃げしたり連発。貧乏で抜き差しなら無い状況に置かれて内省もしてるようなんだけど、なんか深刻じゃないんだな。続編の「ねむれ巴里」も買ってあるんでちびちび読んでいきませう。