NPO/NGOとビジネス

旅行最終日は予定通り、NPO法人かものはしプロジェクトの作業所を訪問した。100人規模の女性が雇用されハンディクラフトを制作、カンボジア国内、海外で販売している。http://www.kamonohashi-project.net/activity/#activity01

シングルマザーや貧困層の女性雇用が促進され意義深いとは思う。ただ、NPO/NGOの枠組みでこうした「ビジネス」を展開することの難しさは感じた。ガイドしてくれたカンボジア人スタッフに聞いたのだが、例えば、海外から大きな発注があっても事業拡大が主ではないので断る、と。

東アジアの発展の歴史は、民間による投資が事業拡大を促し、雇用が生まれ、被雇用者の消費が拡大し、そしてそれがまた事業拡大を促す、という循環だったように思う。経済発展の肝は海外/国内の事業投資。カンボジアでいえば、特に人件費が高騰している中国、そしてベトナムから製造業の生産拠点投資を奪っていくかにあると思う。

そういった環境で、NPOが「ビジネス」を手がける時、長期的な目的をどこに位置づけるべきなのか、という課題にどうしてもぶつかる。目的が、貧困層の雇用、なのであれば、事業投資がより大規模でなされる方がより多くの人を救えるし、賃金も大きい。

勿論カンボジアは長期の内戦という事情もあったし、小さな規模であっても雇用を作る、ということは素晴らしいと思う。ただ、ようやく経済発展の軌道に乗りかけているカンボジアであれば、例えば民間の事業会社に対して農村など「現場」のリアルな情報を提供して彼等のマーケティングを助ける、というような組み方の方が有望なのではと感じた。