沢木耕太郎の講演に行った!

月曜日に沢木耕太郎の講演会に行ってきた。登場して「こんばんは、沢木耕太郎です」って話が始まった時感動。エピソード満載だったのだけれど、対象との距離のとり方がつかず離れず絶妙で文体と同じなのが面白かった。アマゾンで、搭乗したセスナが墜落した話を淡々と「あーおちてくなー」みたいなトーンで話すのとかなかなかできるもんじゃないなと。

深夜特急」みたいなナルシシズムに陥っちゃいそうな著作も、どこか冷めた目でバランスを取っているところが僕は好きなのだけれど、今日の語り口の端々にそういったバランス感覚が宿っていてとても心地よかった。

全体のテーマは「ソロとパーティ〜ひとりで“行く”ということ〜」。単独登頂で著名な登山家、山野井泰史とのエピソードを通じて、ソロ、つまり単独で生きることの大事さや強さを語っていた。そして、パーティとの対比で、ソロ、つまり一人で生きられる人の集まりとしてのパーティこそ求められるのでは、とまとめていた。これは全く同意。自分の目指すところでもあるのでなんだか勇気づけられた。ただ、パーティの例でリストラされたサラリーマンとか出てきたり、最後のまとめ部分はやや一般論に流れたかなーという気もしたけれど。。

ということで、彼の魅力はやはり細部を描き出す視点だったり語り口なんだなと再認識。とても60代に見えない若々しい容姿と、すごく聞き心地の良い声質も合わせて、大満足の講演だった。