カート・コバーンの美しさ

Twitterはまった&年末わりと暇、ということもあってずっと放置していたブログなども最近更新してるが、ブログはつい改まって文章を書かねばと思ってしまうがゆえになかなか日々更新は難しいね。

さあ年賀状を書かねばと思いつつもう30日なのでが、例年通りだらだらと現実逃避して本を読んだりTwitterしたりDVDみたり。そう、NirvanaのLive at Readingがあまりに素晴らしくてずーと流している。高校生の頃BSで放送されたこの年のReadingのダイジェストを何度繰り返して観たことかと。Lithiumで観客と一体となって歌うカートの姿とかもうほんとかっこよくて、会場全体のNirvanaに対する愛情もがんがん伝わってきて、今こうやって書いてるだけであの頃感じたわくわく感を思い出す。

で、このDVDではなんとフルサイズでこのライブを観ることができる。1時間半もやったんだね。1st, 2ndの代表曲がほとんどつまってて、カートもほんと気持ちよさそうに歌い上げている。たまに調子が外れるギターも味があってこのざっくり感が彼らの楽曲のポップさを際立たせる。Teenage Fanclubと同じ文脈でNirvanaを評価すべし、といっていた佐々木敦はやはり慧眼であったなあ。

ライブのMCでも言っているけど、12日前に子供が生まれて、リハビリ施設で麻薬も抜いてクリーンになって、カートは本当に気持ちよさそうだ。ひどく純粋さを保った前髪に隠れた青い眼にその喜びが溢れている。ぼろぼろの病人のような、清潔さのかけらもない格好をしているのにそこには何か神聖なものが宿る。西洋画に描かれた迫害されるキリストのように、我々には、みすぼらしさと美しさのコントラストに何か純粋性や聖なるものを見出す感性があるのだろう。僕がカートに抱いていた思いはどこか信心に似た感情だったように思う。それは体系化されて明確な教義を持った宗教を信じる心とは違っている。もっと何か本質的に人が持つ、混沌としたうまく表現できないものが表出されていることに強く魅かれたのだろう。

「Courtney, we love you」と彼はつぶやき、観客にも繰り返させる。そして、彼が歌い始めるのはAll Apologiesなのだ。「全部おれが悪いんだろ、ごめんよ」と歌う彼の姿が美しすぎてもうたまらなくなってくる。

Live At Reading

Live At Reading

"Lithium" at Reading Festival