しなやかな思想

今日はたくさん寝たなー。昨日は結婚式で久々にバイト時代の友人に会い本当に楽しかった。旧友は貴重な存在ですね。

で、今日の夜ETV特集鶴見俊輔が映っていて、おおっと思って観始めたら素晴らしい番組だった。稀有な対談集「戦争が遺したもの」と響きあう、鶴見俊輔自身から語られる日本の戦中・戦後史。鶴見氏の語り口はまさに「思想」がそこかしこに満ちていて、それでいて平易な言葉が選ばれており、見事。

番組タイトルにも使われていた「人民の思想」。名著「民主と愛国」が描き出した60年安保の時の人々の怒り、そしてそれを示した行動(10万人デモ!)。鶴見氏は日本では思想が「国家の思想」に転化してしまうことを指摘し、あの安保の時に表出した「人民の思想」は日本史上稀有な、というかほぼ初めてのもので、それをどう継承していくのか、それが歴史家のまさに今行うべきアクチュアルな課題だと語る。この部分の語りに久々に心揺さぶられるものを感じた。同時に、歴史家だけでなく、今を生きる一人の市民として自分の課題にどうひきつけられるのか考えさせられた。って書くとなんだか教科書的な感想だね。