こんな日本にLo-fiはいかが

ロッキングオンを久々に買った。1994年特集。なんかロッキングオンも温故知新モードなのかなと思ったりするが、94年はカートが死んだ年であり90年代隆盛を誇ったアメリカのインディーロックの転換点であり、ロック史的には大事な年かなと。

特集では94年の100枚が選ばれていて、懐かしすぎて泣きそうになるが、個人的にはBeck, Sebadoh, Pavementに代表されるLo-fi勢のアルバムを特に思い出す。Sebadohの「Bakesale」なんかは本当に名盤で、自己否定、自己憐憫の塊だった自分をどれだけ肯定してくれたかと。Lo-fiっていうのはほんと不思議な音楽で、演奏技術はぜんぜん無くて、録音もチープで、メロディだってあるかないかわからないのに、静かに心を揺さぶるのだった。しかもその揺さぶり方は、メジャーな音楽が持つような強いフックではなく、廃墟に紛れ込んでるのになんか心は穏やかでにこにこしてしまう、もしくは静かに目から涙が流れてる、ってな感じ。その点でBeckの「Loser」のPVとかほんと見事にLo-fiの世界観を表現してる。

今の日本って今後もわりと絶望的でLo-Fi的な音楽って似合うと思う。でもどっちかというと、メジャーなJ-POPだと応援ソングが多いし、Radwimpsとかチャットモンチーもそんな暗くないね。なんか疲れた時に頑張れっていってもしょうがないし、「日本はもう立ち直れないと思う」@chikawatanabeとかいわれちゃうんだから、Lo-fiでも聴きながらみんなでへらへらするのがいいんじゃないんですかね。内田先生もこういってますし。

まあこういってる自分が仕事のことばっか考えたり本読んだりして、がんばるぞー、キャリア作るぞー、とかいまだに言ってるんだから実際は難しいんですけどもね。

Sebadoh 「Skull」

Bakesale

Bakesale

Beck 「Loser」

Mellow Gold

Mellow Gold