既得権益ねえ

最近通勤が長いので、電車の中ではよくpodcastを聴いている。なるべく英語の勉強をと思って、Wall Street JournalとかBBCのやつを好んで聴く。最新のニュースが無料で毎日聴けるのだから、本当にいい時代になった、と月並みな感想を述べる以外何を言うことができようか。

で、唯一日本のもので聴いているのが「文科系トークラジオLife」のやつ。ここ数日は「経済成長」についてがテーマのものを聴いてる。飯田泰之がゲストで、経済学者として「経済成長」がいかに大切なのかを手を替え品を替え述べる。そして、それに否定的なパーソナリティ陣とリスナー。特にリスナーは、絵に描いたようにいくら経済成長したってそんなもん俺ら若者には全然恩恵無いし、経済学者ってほんと現実感覚ないな、っていう感じの意見が大半。

これに対して飯田氏は、「既得権益」だけに富を偏在させるな、それをうまく分配することで若者も潤う。それには経済成長が必要なんだ、と繰り返し力説。

なんか繰り返される「既得権益」対「搾取される若者」という図式に微妙な違和感を禁じえない。勿論飯田氏もメインパーソナリティのCharlie氏も、あえてそういう図式を提示した上で、再分配の問題なんかを考えよう、って言いたいのだろうけれどなんかこそばゆい。

それは僕が彼らからしたら典型的な「既得権益」側にいるからなのだろうか。私立中・高を出て、まあまあの大学を出て、大企業に勤めてる。確かにある種の大企業、特に日本の大企業には既得権益とでも呼べるようなまったり感があったりする。前の会社は、典型的日本の大企業で確かに居心地が良かった。でも今僕がいる外資はかなり実力主義だし、日々神経をすり減らしている部分も多い。「既得権益」だって、当たり前だけど、いろいろあるよな。あと仮に僕に大企業バイアスがかかっているとしても、何だか上記したような議論はやっぱりしっくりこない。

まあ仕方が無い面もあるけど、とにかく今の(あまりに拡散している)社会を図式化して語ることに無理があるのではと思う。確かに僕はニートとかフリーターの思いってリアルにはわからないし、この番組の図式からすると「既得権益」側にいるんだろうけど、どうもこの辺の問題を政策論として語るのって隔靴掻痒な感じなんだよな。多分違和感があるのは、この日本でほんとにそんなに階級の固定化って進んでるのかねという疑問があるからなんだな。まだまだ個人の努力で挽回できる余地は多い気がするんだよね。この点については色々な統計があると思うので、ほんとはそういうのを踏まえて議論すべきだと思うけど、あくまで個人の実感としてはそんな感じ。

なんか論旨もへったくれもない文章だ。まあこういう話題をきちんと語れる能力には欠けてます、わたくし。