おだやかなまなざし

仕事絡みですけど、待ち人はすぐに来ない。今日も肩透かしでなかなか大事な決定が動かない。うーん。って完全にこれ独り言ですが。

今日も雨で帰宅後のジョギングできずつらつらとNHK「プロフェッショナル」を観る。ホスピスの看護婦さんについてのアンコール再放送。とても穏やかな表情を持った素敵な看護婦さん。ホスピスという死が日常的にある空間に身を置きながら、毎回担当する患者さんの死後ひっそりと泣くその姿。僕も涙が止まらなかった。

娘の結婚式を1ヵ月後に控えながら、そこまではもたないだろうという医師の判断。この看護婦さんは、娘さんたちが結婚衣装を着てホスピスで記念撮影することを提案する。穏やかな表情で、娘の花嫁姿を見つめる患者さん。この方は娘の晴れ姿をしっかりと見届けて、次の日亡くなられた。

とにかく患者さんの話をするときの看護婦さんが、とてもすみやかで、穏やかで、何か全てを包み込んでいくような顔をされているのが印象的だった。大学時代柳田邦夫の本などを読んでホスピスに興味を持ったことがあった。あの頃は、不謹慎だけれど何か自分の近くに死が潜んでいるような気がして、そういう少し変わった観点から「死を看取る」ということに興味があったのだと思う。

でも、今は違う。大切な家族がいる。自分は間違いなく真っ直ぐに前を見据えて生きていくだろう。この番組を観て、人が死んでいく最後を静かに、でも力強く見守っている人の姿を見て、改めて自分の生を十全に生きていくことの尊さについて考えた。