Sonic Youthから始まった

ソニックユースの"100%"は、90年代初頭の米国音楽を代表する名曲。個人的な思い出を語るならば、この曲から僕のロック人生は始まったと言える。雑誌クロスビートでの紹介に興味を持ってこの曲を聴かなかったら、ロックなんか関心持たなかったよ、たぶん。

NYのアンダーグラウンドで実験的なノイズ音楽に耽溺していたソニックユースが、突然ゲフィンに移籍し、90年にアルバム「Goo」を発表。アメリカインディーの実力をより広い世界に示す。彼らのメジャー移籍はカート・コバーンにも影響を与え、彼はメジャーからの誘いを受けた際に、サーストンに相談したとされる。結局ニルヴァーナソニックユースと同じゲフィンに移籍。そして91年発表された「Nevermind」は改めて言うまでもなく大成功を収め、アメリカインディーとメジャーを塞いでいた扉は決定的に解き放たれる。そんな状況下で92年に発表されたアルバム「Dirty」は、彼らのノイズがより明確なメロディと共にかき鳴らされ、マイナーだったはずのノイズ音楽が確かに時代の空気を吸って説得力ある形で提示されているのがよく分かる。アルバム一曲目"100%"。これを聴けば、90年代初頭のアメリカインディーがいかに勢いがあったのかが嫌という程はっきりわかると思う。