ブックオフにて半狂乱

最近はやや仕事のペースが落ちていて、今日もあまり集中できなかったので、早々に退社。八王子駅近くのブックオフにふらふらと吸い寄せられる。105円コーナーをじっくり見て回り、以下7冊を購入。合計735円とは喜ばしきことかな。


歴史としての社会主義 (岩波新書)  和田春樹  
ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)  阿刀田高
ピアッシング (幻冬舎文庫)  村上龍
海の向こうで戦争が始まる  村上龍
「文藝春秋」にみる昭和史(一)  文藝春秋編 半藤一利監修
隣人  重松清
日本とアメリカ―パートナーシップの50年  細谷千博監修


最近歴史への関心が深まっているので、それに関連し、社会主義ギリシア神話、昭和史、日米史、と選んでみました。それに加えて村上龍ビートルズ好きはややストーンズから距離を置くように(逆もまた然り)、村上春樹絶対主義の僕は村上龍にはやや冷めた見方をするのだった、ってあまりにべたな物言いで今書いてて嫌になった。ああいやだ。ともかく、村上龍は代表作数作しか読んでないんで、ちょうど105円ですし買ってみまひた。

ちなみに、文藝春秋本。これは、昭和元年から15年までの記事。ぱらぱら見たら、第一回芥川賞直木賞の決定発表という記事がある。ちなみに、この第一回芥川賞受賞者である石川達三は母方の(遠い遠い)親戚なのだ。以前一人の伯父が家系図を作成し、その際に始めて知った。まあだからどうしたという話ではあるが、ちょっと嬉しい。

あと、この芥川賞記事には、川端康成の有名な太宰への講評が載っている。

さて、瀧井氏の本予選に通った五作のうち、たとえば佐藤春夫氏は、「逆行」よりも「道化の華」によって、作者太宰氏を代表したき意見であった。
 この二作は一見別人の作のごとく、そこに才華も見られ、なるほど「道化の華」の方が作者の生活や文学観をいっぱいに盛っているが、私見によれば、作者目下の生活に厭な雲ありて、才能の素直に発せぜる憾みあった。

この文章に対し、太宰くんは猛抗議。こんな文章を発表。これを受けて、結局川端が陳謝することになるんだけど、文壇なんて既に跡形も無く崩壊した現在から見ると、こういうやり取りは何だか微笑ましい。「刺す。そうも思った。大悪党だと思った。」なんて部分なんかまるで子供が喚いているみたいだし、この「川端へ」はそんな文章でいっぱいなんだけど、総体でみるとなんだか妙に「文学的」なのが太宰という人の不思議な魅力なのだった。本人がマジすぎて逆にその表現が滑稽かつ鋭利に響くのは、ブルハ&ハイロウズヒロトと同じ芸風だなとふと思う。

なんか勢いついてきた。ちなみに、この本ですけど、タイトルだけで激しく興味惹かれます。だって、「松岡洋右縦横談」「山本五十六代表一問一答録」「人としての美濃部達吉博士」「二・二六事件と私」「学生の知能低下に就いて」とかですよ、みなさん。