くるりがすきだ

iTunesくるりの「ワンダーフォーゲル」を聞き始めたら急に彼らについても書きたくなった。僕はくるりの良い聞き手とは言えない。彼らのアルバムを数枚持っているけど、聞き込んだという感じでは全然無い。

それでも僕が彼らの音楽に魅かれ続けているのは、シングルになる曲の素晴らしさがずば抜けているからだ。「ワンダーフォーゲル」、「ロックンロール」、「ばらの花」etc。

今こうした曲達を聞きなおし、いつものように、混乱と高揚が同時に襲ってくるあの独特の感覚が生まれてくるのを感じる。こういう感覚を呼び起こしてくれるのはくるりの曲だけだ。音楽は記憶と深く結びついているけれど、彼等の曲は僕が体験したこともない、けれど同時にどこか馴染みのある記憶や思いを突きつけてくる。僕は時に混乱するし、急に泣けてくるときもある、そして同時にさあ明日も世界は続くのだと僕を奮い立たせる。

村上春樹が言ったように、音楽を通じて得た感動や思いを誰かと共有することほど素晴らしいことはない。そして、くるりの一連の曲達は、自分の深いところで得たその経験を大切な誰かと共有したい、と思わせるに値する素晴らしい音楽だと思う。

結婚式の、来場者退場の曲として、僕は「ロックンロール」を選んだ。大切な時間を共有してくれた人たちへのお礼として。あの曲に込められた希望がたまらなく好きだ。