貫井徳朗 「修羅の終わり」
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/01/14
- メディア: 文庫
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ただし、正直言うとストーリーはありきたり。テロを図る左翼組織を潰すべく奮闘する特高刑事が主人公のお話も、なんか左翼組織の描き方がすかすかでいまいち興ざめ。「慟哭」では、新興宗教の内部についてなかなかに執拗な描写があって楽しめたのとは対照的。
そして、醜悪なのは、女性の弱みに付け込んで折に触れレイプを行う刑事が主人公のお話。おいおい。人間の闇を描きたいんだか知らんが、余りにお粗末なり。一度読むと止まらないミステリーって面白いと思うけど、人間の暗部を描きたいが為にレイプを持ち出す作品って多くないか?東野圭吾「白夜行」って素晴らしい作品だと思うけど、やっぱレイプが出てきた。良識派を気取りたいんではないけど、なんかお決まりアイテム的にレイプを持ち出すのってやっぱあほらしいと思う。
というわけで、まあつまらなくはないのだけれど、いろんなとこで??が頭を巡った作品だったのだった。