アラン・シリトー 「長距離走者の孤独」

長距離走者の孤独 (新潮文庫)

長距離走者の孤独 (新潮文庫)

新宿のVillage Vanguardにて購入。遠い記憶で、音楽雑誌で目にしたことがあるタイトルだと思って手に取ってみた。ぱらぱらと数ページ読んでみたが、丸谷才一の巧みな翻訳にそそられ結局買った。最近積読が多いので、まだ殆ど読めていないが。ちょっと調べてみると、やはりポール・ウェラーが好きな小説として挙げていたようだ。


ポール・ウェラーは、僕の高校生時代再評価されていた。JAM時代の写真を見て、なんて美しい顔立ちなんだと驚嘆したのを覚えている。ところで、ロッキングオンは、編集者が80年代の英国ロック(スミスやらエコバニ)に決定的に影響を受けていた為、イギリス寄りの特集が多かった。当時の編集長だった増井修スウェードを持ち上げているのを見て、けっ、こんなきんきん喚くボーカルのどこがいいんじゃ、と悪態ついたものだ。


というのも、当時(93〜4年)は、アメリカのロックが本当に輝いていて、僕は圧倒的にアメリカロック派だった。ニルヴァーナソニック・ユースR.E.M.Dinosaur Jr.は言うまでも無く、マッドハニーやスーパーチャンクといったバンドのハードさとポップが同居した音も大好きだったし、ダニエル・ジョンストンやSebadohといったLo-Fiにも魅かれた。アメリカ勢は、イギリスロックみたいにひねくれた理屈を振り回さず、純粋な音楽好きが集まっていて、その音も情緒過多でなくあくまでクールだった。思えばこうした音楽達を渋く紹介し続けていたクロスビートはいい雑誌だった(ってまだあるけど)。ソニックユースは表紙にして大きく特集したり、湯浅学佐々木敦がLo-Fiを大々的にプッシュしたり、この雑誌のお陰で僕の聞く音楽の幅はかなり広がった。今やかなり人気者のリリーフランキーが、クロスレビューに描いていたイラストはかなり秀逸だったし。(ヴァネッサ・パラディレニー・クラヴィッツの時とかレニーがぶんぶん振り回してた)。


ソニックユースのゲフィン移籍に始まり、ニルヴァーナの大ブレイクで一気に表舞台に浮上した、90年代前半のアメリカロックの魅力とその深み、って意外に語られていない。アンダーグラウンドで好きなように活動していたバンドが、その鋭さを保持したまま一般のリスナーの耳にもダイレクトに届いたあの時代についての多角的な評論とか面白そう。アメリカの不況など、社会的な背景に絡めた話も出来るしな。

Dirty

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Where You Been

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ノー・ポッキー・フォー・キティ

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