小説のリミックス
- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/06/03
- メディア: 文庫
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で、「優雅で感傷的な日本野球」。これは文句なしに面白い。彼の作品は文学におけるテクノなんだな。リミックスですよ、リミックス。ここでは、高橋源一郎の頭に一杯に詰まった教養、文章、単語達が見事に凝縮された形で表現されている。遠い記憶を掘り起こすと、「さようならギャングたち」はなんか文章が作為的だった。でもこの作品は、彼の「リミックス」がとても自然な形で行われている。読むことそれ自体の快感、が確かにここにはある。読み手の解釈に委ねられた自由度が心地よいのだと思う。だから、テクノ。