ねじまき鳥は再び鳴くか

短いお盆休みは昨日で終わり。今日は早速10時過ぎまで働く羽目に。はあ。

ところで今回の引越先は、あいにく本を置くスペースが少ない。ということで、実家にダンボール8箱分の本を送りつけた僕は、さすがに良心の呵責を感じ、お盆に帰った時にその膨大な本たちを本棚に整理した。整理中全部持って帰りたい衝動に駆られたがぐっとこらえて、村上春樹ねじまき鳥クロニクル」の文庫本3冊だけ握り締め帰還した。

早速第一部から読み始めているのだけれど、法律事務所を辞めた主人公が送る「主夫」生活の描写がやはり素晴らしい。

僕は掃除機を出してきて床を掃除し、家の中を片付けた。新聞をまとめて、紐でしばって押入れに放り込み、ちらばったカセット・テープをケースに入れて整理し、台所で洗い物をした。それからシャワーを浴び、頭を洗い、新しい服に着替えた。コーヒーを新しく作り、ハムのサンドイッチとゆで卵を食べた。そしてソファーに座って『暮らしの手帖』を読み、夕食に何を作ろうかと考えた。僕は「ひじきと豆腐のサラダ」というページにしるしをつけ、必要な材料を買い物メモに書き込んだ。                        「ねじまき鳥クロニクル第1部」 P155

こういう、きちんとした日常生活が描かれているがゆえの世界性。評論家が村上春樹を軽視するのは、きっと彼らが古臭い男根主義者だからであろう。今決めた。きっとそうだ。彼らは家事とかしてないね、絶対。ちなみに僕はこの前筑前煮を作り、その出来に満足して一日ご機嫌、ってな感じの生活を送っているので村上春樹のこういった文章を圧倒的に支持するのである。ひじきもよく作るしね。