満州裏史 太田尚樹
- 作者: 太田尚樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: 単行本
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今のところ半分くらいまで読んだけど、とてもいい感じ。特に、満州国という幻惑的な舞台を背景にしているがゆえに、厳密に事実を追うだけでなくこうして小説的要素を含んでいることで、その頃の満州が持っていたであろう雰囲気をうまく伝えている。
あと、トリビアだけど、石原莞爾らが唱えた「五族協和」「王道楽土」って小沢征爾の父親である小沢開作が作った造語らしい。小沢開作は歯科医で、満州国設立前夜のころ奉天に住んでおり、関東軍参謀達、特に板垣征四郎、石原莞爾と懇意にしていたようだ。それで、この二人が開作の作った「五族協和」「王道楽土」を気に入って使うようになったとのこと。更に、小沢征爾。名前をよーくみると、そう、「征」「爾」、つまり板垣征四郎、石原莞爾の名前から一文字ずつ取ってる。おお、なんかめっちゃトリビアですね。
それにしても、満州国というのはその内実に触れれば触れるほど興味惹かれる。旅順、大連、奉天(今の瀋陽)、ハルピン、と一度巡ってみたいものだ。ちなみに、佐野眞一の「満州の夜と霧」も満州をはじめ中国で暗躍した里見甫について詳細に描いており、おすすめ。
- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: 単行本
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